[ITPASS2020]ローカルでのバックアップの設定

目的

ITPASS サーバでは, 一部の領域 (itpass などグループで使用している領域) に ついて, 普段は予備サーバへのバックアップを行っている. (詳しくは [ITPASS2020]サーバ交換作業 1 週間後に行う作業 を参照のこと.)

サーバの再構築時は予備サーバにバックアップすることができないので, 冗長性を維持するために, システムがインストールされているディスクとは 別のディスクに, 計算機内でバックアップ (ローカルバックアップ) を取る ようにしておく. このとき, 万が一本サーバのディスクが故障したときの復旧を容易にするために, 普段より多めのデータをバックアップしておく.

なお, 通常運用中にはローカルバックアップは行わない.

概要

以下では, ローカルバックアップを取る方法について記す.

  • ika にバックアップ用のディスクを取り付ける.
    • 通常は最初から付いている.
  • 1 日 1 回, 以下を除くすべてのバックアップを取るように cron スクリプトを設置する.
    • /tmp/, /proc/, /dev/, /sys/ 等のシステム固有なものや一時的に用いるもの
    • /home/aquota.user

予備ディスクの準備

以下は, 既に本体ディスクが取り付けられており, これから予備ディスクを フォーマット, マウントすることを想定した文書である. 既に予備ディスクがフォーマット, マウントされている場合には #バックアップスクリプトの設置 から作業を始めよ.

予備ディスクの設置

ika に予備ディスクを接続する. 使用されているディスクの容量が 4 TB のため, 4 TB (以上) のサイズのディスクを接続する.

現在のディスク使用状態の確認

df コマンドで, 現在のディスク使用状況を確認する.

# df -h
ファイルシス   サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
udev             7.9G     0  7.9G    0% /dev
tmpfs            1.6G  170M  1.5G   11% /run
/dev/sda1        183G   68G  106G   40% /
tmpfs            7.9G     0  7.9G    0% /dev/shm
tmpfs            5.0M  4.0K  5.0M    1% /run/lock
tmpfs            7.9G     0  7.9G    0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda6        1.6T  531G 1008G   35% /home
/dev/sdb1        183G   61M  173G    1% /bk
/dev/sdb6        704G   73M  668G    1% /home.bk

現時点で使っているディスクは /dev/sda としてマウントされている.

予備ディスクのパーティショニングとフォーマット

予備ディスクが本体ディスクと同じパーティション構成になっていることを確認する. parted コマンドを使ってパーティション構成を確認する.

$ sudo parted -l
Model: ATA TOSHIBA MN04ACA4 (scsi)
Disk /dev/sda: 4001GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: gpt
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    File system     Name  Flags
 1      1049kB  1000GB  1000GB  ext4
 2      1000GB  1064GB  64.0GB  linux-swap(v1)
 3      1064GB  1064GB  200MB   fat32                 boot, esp
 4      1064GB  4001GB  2937GB  ext4

Model: ATA TOSHIBA MN04ACA4 (scsi)
Disk /dev/sdb: 4001GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: gpt
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    File system     Name  Flags
 1      1049kB  1000GB  1000GB  ext4
 2      1000GB  1064GB  64.0GB  linux-swap(v1)
 3      1064GB  1064GB  200MB   fat32                 boot, esp
 4      1064GB  4001GB  2937GB  ext4

fstab の設定 (予備ディスクのマウント)

予備ディスクを /bk, /home.bk にマウントするように設定する.

/bk, /home.bk ディレクトリを作成する.

# mkdir /bk /home.bk

/etc/fstab を書き換えるが, UUID を使って fstab に記述するため, まずは UUID を調べる.

# blkid
/dev/sda1: UUID="7dbd4073-dbe2-449b-b4c2-115c558bde45" TYPE="ext4" PARTUUID="3912811c-01"
/dev/sdb1: UUID="98d09b12-ee10-4fa0-8f24-a106d87d70e4" TYPE="ext4" PARTUUID="eea62f4a-01"
/dev/sdb5: UUID="20a0ebf4-c201-4c03-a7f4-6f413d0a6e47" TYPE="swap" PARTUUID="eea62f4a-05"
/dev/sdb6: UUID="76ecb23b-ec7c-4fff-aee5-dc1762a08260" TYPE="ext4" PARTUUID="eea62f4a-06"
/dev/sda5: UUID="19b7c577-a724-44b2-a781-977395460aac" TYPE="swap" PARTUUID="3912811c-05"
/dev/sda6: UUID="b12e2259-c65f-4987-97cb-c95b4a8ea86b" TYPE="ext4" PARTUUID="3912811c-06"

ここで表示された, /dev/sdb1, /dev/sdb6 の情報に基づいて, /etc/fstab を 編集する.

# vi /etc/fstab

以下の 4 行を追加した.

# /dev/sdb1 is mounted on /bk
UUID=98d09b12-ee10-4fa0-8f24-a106d87d70e4 /bk             ext4    defaults,errors=remount-ro 0     2
# /dev/sdb6 is mounted on /home.bk
UUID=76ecb23b-ec7c-4fff-aee5-dc1762a08260 /home.bk        ext4    defaults,usrquota          0     2

/etc/fstab の編集が終了したら, マウントする.

# mount -a

ディスクのマウント状態を確認する.

# df -h
ファイルシス   サイズ  使用  残り 使用% マウント位置
udev             7.9G     0  7.9G    0% /dev
tmpfs            1.6G  170M  1.5G   11% /run
/dev/sda1        183G   68G  106G   40% /
tmpfs            7.9G     0  7.9G    0% /dev/shm
tmpfs            5.0M  4.0K  5.0M    1% /run/lock
tmpfs            7.9G     0  7.9G    0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda6        1.6T  531G 1008G   35% /home
/dev/sdb1        183G   61M  173G    1% /bk
/dev/sdb6        704G   73M  668G    1% /home.bk

上の例では, /dev/sdb1, /dev/sdb6 がそれぞれ /bk, /home.bk にマウントされている.

バックアップスクリプトの設置

バックアップの際には cron を用い, rsync によるバックアップを毎日自動的に行う. また, その rsync の結果をログに残す.

バックアップ用スクリプトの用意

バックアップ用スクリプトを以下のように設置する.

  • root ディレクトリ用: rsync_localbk_root.sh を, /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root へ設置した.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/server/2011/system_backup/rsync_localbk_root.sh
# mv rsync_localbk_root.sh /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
  • home ディレクトリ用: rsync_localbk_home.sh を, /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home へ設置した.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/server/2011/system_backup/rsync_localbk_home.sh
# mv rsync_localbk_home.sh /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

(なお, スクリプト先頭の番号は, その他のスクリプトを置いた際, どれを優先して実行するかを決めるためのものである. 若い番号のものほど先に実行される).

設置したスクリプトに実行権限を与える.

# chmod 744 /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
# chmod 744 /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

crontab の編集

/etc/crontab を編集する. 以下の一行があることを確認し, なければ追加する.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily   |mail -s "`hostname -f` daily run outputs" itpadmin@itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

バックアップログファイルの作成

ログファイルのためのディレクトリとファイルを作成しておく. なお, このログファイルの場所は #バックアップ用スクリプトの用意で用意した 220_rsync_localbk_root と 225_rsync_localbk_home 内の LOGFILE を書き換えることで変更できる.

ディレクトリ /var/log/rsync-log がなければ作成し, その中にログ用のファイルを作成する.

# mkdir /var/log/rsync-log
# cd /var/log/rsync-log
# touch localbk_root.log localbk_home.log 

ログファイルのためのファイルを作成する.

# cd /var/log/rsync-log
# touch localbk_root.log localbk_home.log 

バックアップログファイルの logrotate の設定

rsync のログを 1 週間毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_localbk_root という設定ファイルを作成する.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_root

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_root.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

同様に rsync_localbk_home も作成する.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_home

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_home.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

バックアップのテスト

バックアップをテストする.

# cd /etc/cron.local/daily/
# ./220_rsync_localbk_root
# ./225_rsync_localbk_home

バックアップができているか, 以下のログファイルで確認する.

  • /var/log/rsync-log/localbk_root.log
  • /var/log/rsync-log/localbk_home.log

本サーバから予備サーバへのバックアップの停止

ローカルバックアップが cron によってうまく実行されたことを確認した後, 本サーバから予備サーバへのバックアップを止める.

# chmod 644 /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk
# chmod 644 /etc/cron.local/daily/231_rsync_itpassbk
# chmod 644 /etc/cron.local/daily/232_rsync_itpassbk
# chmod 644 /etc/cron.local/daily/233_rsync_itpassbk
# chmod 644 /etc/cron.local/daily/234_rsync_itpassbk