[ITPASS2018]ローカルでのバックアップの設定

目的

ITPASS サーバでは, 一部の領域 (itpass などグループで使用している領域) について, 普段は予備サーバへのバックアップを行っている. (詳しくは [ITPASS2018]サーバ交換作業 1 週間後に行う作業 を参照のこと).

サーバの交換時は予備サーバにバックアップすることができないので, 代わりの冗長性を持たせるために システムがインストールされているディスクとは別のディスクに ローカルバックアップを取るようにしておく. このとき, 万が一本サーバのディスクが故障したときの 復旧を容易にするために, 普段より多めのデータをバックアップしておく.

通常運用中にはローカルバックアップは行わない.

概要

以下では, ローカルバックアップを取っておく方法について記す.

  • ika にバックアップ用のディスクを取り付ける.
    • 通常は最初から付いている.
  • 1 日 1 回, 以下のバックアップを取るように cron スクリプトを設置する.
    • 下記以外のものを全てバックアップする
      • /tmp/, /proc/, /dev/, /sys/ 等のシステム固有なものや一時的に用いるもの
      • /home/aquota.user

予備ディスクの準備

以下は, 既に本体ディスクが取り付けられており, これから予備ディスクをフォーマット, マウントすることを想定した文書である. 既に予備ディスクがフォーマット, マウントされている場合には #バックアップスクリプトの設置 から作業を始めよ.

予備ディスクのパーティショニングとフォーマット

予備ディスクが本体ディスクと同じパーティション構成になっているか確認する. parted コマンドを使ってパーティション構成を確認する.

# parted -l
Model: ATA Hitachi HDS72302 (scsi)
Disk /dev/sda: 2000GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: msdos
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    Type      File system     Flags
 1      1049kB  60.0GB  60.0GB  primary   ext4            boot
 2      60.0GB  2000GB  1940GB  extended
 5      60.0GB  92.0GB  32.0GB  logical   linux-swap(v1)
 6      92.0GB  2000GB  1908GB  logical   ext4


Model: ATA Hitachi HDS72302 (scsi)
Disk /dev/sdb: 2000GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: msdos
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    Type      File system     Flags
 1      1049kB  60.0GB  60.0GB  primary   ext4
 2      60.0GB  2000GB  1940GB  extended
 5      60.0GB  92.0GB  32.0GB  logical   linux-swap(v1)
 6      92.0GB  2000GB  1908GB  logical   ext4

fstab の設定 (予備ディスクのマウント)

予備ディスクを /bk, /home.bk にマウントするように設定する.

/bk, /home.bk ディレクトリを作成する.

# mkdir /bk /home.bk

/etc/fstab を書き換えるが, まず, UUID を使って fstab に記述するため, UUID を調べる.

# blkid
/dev/sda1: UUID="92358e51-7cac-4d7a-b359-8ad970e91163" TYPE="ext4" PARTUUID="79a09549-01"
/dev/sda5: UUID="c9e0929b-b1f7-438a-8e92-9814310b707f" TYPE="swap" PARTUUID="79a09549-05"
/dev/sda6: UUID="0c734c3f-e29f-48e0-a336-6dbd76fae769" TYPE="ext4" PARTUUID="79a09549-06"
/dev/sdb1: UUID="ff8045f4-5b10-46e7-9706-c398abd65d8f" TYPE="ext4" PARTUUID="0e8f986c-01"
/dev/sdb5: UUID="16ebe1bc-52f3-456f-a3a7-e41ead2f4261" TYPE="swap" PARTUUID="0e8f986c-05"
/dev/sdb6: UUID="7ae6af8e-ea8b-4331-95ed-89aae6ceae4c" TYPE="ext4" PARTUUID="0e8f986c-06"

ここで表示された, /dev/sdb1, /dev/sdb6 の情報に基づいて, /etc/fstab を 編集する.

# vi /etc/fstab

/etc/fstab の編集が終了したら, マウントする.

# mount -a

ディスクのマウント状態を確認する.

# df
ファイルシス   1K-ブロック      使用     使用可 使用% マウント位置
udev               8205628         0    8205628    0% /dev
tmpfs              1643376    181536    1461840   12% /run
/dev/sda1         57410400  52914624    1549780   98% /
tmpfs              8216864         0    8216864    0% /dev/shm
tmpfs                 5120         4       5116    1% /run/lock
tmpfs              8216864         0    8216864    0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda6       1833369896 558720280 1181449744   33% /home
/dev/sdb6       1833369896     77852 1740092172    1% /home.bk
/dev/sdb1         57410400     53272   54411132    1% /bk

上の例では, /dev/sdb1, /dev/sdb6 がそれぞれ /bk, /home.bk にマウントされている.

バックアップスクリプトの設置

バックアップの際には cron を用い, rsync によるバックアップを毎日自動的に行 う. またその rsync の結果をログに残す.

バックアップ用スクリプトの用意

バックアップ用スクリプトを以下のように設置する.

  • root ディレクトリ用: rsync_localbk_root.sh を, /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root へ設置する.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/server/2011/system_backup/rsync_localbk_root.sh
# mv rsync_localbk_root.sh /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
  • home ディレクトリ用: rsync_localbk_home.sh を, /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home へ設置する.
# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/server/2011/system_backup/rsync_localbk_home.sh
# mv ./rsync_localbk_home.sh /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

(なお, スクリプト先頭の番号は, その他のスクリプトを置いた際, どれを優先して実行するかを決めるためのものである. 若い番号のものほど先に実行される).

設置したスクリプトに実行権限を与える.

# chmod 744 /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
# chmod 744 /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

crontab の編集

/etc/crontab を編集する. 以下の一行があることを確認し, なければ追加する.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily   |mail -s "`hostname -f` daily run outputs" itpadmin@itpass.scitec.kobe-u.ac.jp

バックアップログファイルの作成

ログファイルのためのディレクトリとファイルを作成しておく. なお, このログファイルの場所は #バックアップ用スクリプトの用意で用意した 220_rsync_localbk_root と 225_rsync_localbk_home 内の LOGFILE を書き換えることで変更できる.

ディレクトリ /var/log/rsync-log がなければ作成し, その中にログ用のファイルを作成する.

# mkdir /var/log/rsync-log
# cd /var/log/rsync-log
# touch localbk_root.log localbk_home.log 

バックアップログファイルの logrotate の設定

rsync のログを 1 週間毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_localbk_root という設定ファイルを作成する.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_root

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_root.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

同様に rsync_localbk_home も作成する.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_home

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_home.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

バックアップのテスト

バックアップをテストする.

# cd /etc/cron.local/daily/
# ./220_rsync_localbk_root
# ./225_rsync_localbk_home

バックアップができているか, ログファイルで確認する.

本サーバから予備サーバへのバックアップの停止

ローカルバックアップが cron によってうまく実行されたことを確認した後, 本サーバから予備サーバへのバックアップを止める. 本サーバから予備サーバへのバックアップを行っているスクリプトの実行権限を消す.

# chmod 644 /etc/cron.local/daily/230_rsync_itpassbk