[ITPASS2009]ローカルでのバックアップの設定

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以下は, 交換作業時の前後におけるデータ消失のリスクを軽減する目的でのみ行うこととする. 通常運用中にはローカルバックアップは行わないことに注意されたい.

概要

ITPASS サーバでは, 一部の領域 (itpass などグループで 使用している領域) について, 普段は予備サーバとのデータ共有を 行っている. (詳しくは [ITPASS2009]サーバ交換作業 1 週間後に行う作業 を参照のこと).

定常的なバックアップは以上だが, サーバの移行などの際には, 一時的にシステムがインストールされているディスクとは別のディスクに バックアップを取るようにしておく方が安全である. 以下では, ローカルバックアップを取っておく方法について記す.

バックアップは以下のように行うこととする.

  • サーバ 1 つに, 2 台のディスクを取り付け, 片方を本体, もう片方を バックアップとする.
  • バックアップの内容
    • 下記以外のものを全てバックアップする
      • /tmp/, /proc/, /dev/, /sys/ 等のシステムが一時的に使用するもの
      • /home/aquota.user
  • 1 日 1 回, 上記のようなバックアップを取るようにしておく.

予備ディスクの準備

以下は, 既に本体ディスクが取り付けられており, これから予備ディスクをフォーマット, マウントすることを 想定した文書である. 既に予備ディスクがフォーマット, マウントされている 場合には バックアップスクリプトの設置 から作業を始めよ.

予備ディスクのパーティショニングとフォーマット

予備ディスクのフォーマットを行う. 本体ディスクと取り替えられるよう, 以下のように本体ディスクと同様な構成にする. cfdisk コマンドで設定を行う.

# cfdisk /dev/sdb

なお, ここに書いてある例は, 本体ディスクが /dev/sda, 予備ディスク が /dev/sdb の場合である.

Name   Flags   Part Type   FS Type                [Label]   Size (MB)
-----------------------------------------------------------------------
sdb1           Primary     Linux ext3                       29997.60
sdb5           Logical     Linux swap / Solaris             15998.17 
sdb6           Logical     Linux ext3                      454109.49 

FS Type に関しては, [ Type ] から "83 Linux" を選べばよい. 上記の 表示が "Linux" となるがとりあえずそのままで OK.

設定後に [ Write ] を選択して書き込んだ後, 以下のコマンドでファイルシ ステム ext3 としてフォーマットを行う.

# mkfs.ext3 /dev/sdb1
# mkfs.ext3 /dev/sdb6

fstab の設定 (予備ディスクのマウント)

今回のディスクを /bk にマウントするよう /etc/fstab を書き換える.

# vi /etc/fstab

以下の行を追加する. (1 行目はコメントなので無視せよ).

# <file system> <mount point> <type> <options>                  <dump> <pass>
/dev/sdb1       /bk           ext3    defaults,errors=remount-ro 0       2
/dev/sdb6       /home.bk      ext3    defaults,usrquota          0       2

/bk ディレクトリを作成しておく.

# mkdir /bk /home.bk

mount コマンドで, /bk に /dev/sdb1 が, /home.bk に /dev/sdb6 がマウントされることを確認する.

# mount -a

このコマンドの後, 以下のように df コマンドでディスクのマウントの状態を 確認し, /dev/sdb1 が /bk にマウントされていることを確認せよ.

# df

Filesystem           1K-ブロック    使用   使用可 使用% マウント位置
/dev/sda1             28834716   4897572  22472420  18% /
tmpfs                  1038328         0   1038328   0% /lib/init/rw
udev                     10240        68     10172   1% /dev
tmpfs                  1038328         0   1038328   0% /dev/shm
/dev/sda6            436506740  25579220 388754208   7% /home
/dev/sdb1             28834716    176184  27193808   1% /bk
/dev/sdb6            436506740    203000 414130428   1% /home.bk

バックアップスクリプトの設置

バックアップの際には cron を用い, rsync によるバックアップを毎日自動的に行 う. またその rsync の結果をログに残す.

自作スクリプト用 cron ディレクトリ作成

自作の cron 用スクリプト置き場として, /etc/cron.local を作成する.

# mkdir /etc/cron.local
# mkdir /etc/cron.local/daily

バックアップ用スクリプトの用意

root ディレクトリと home ディレクトリ用にそれぞれバックアップ スクリプトを設置する.

(スクリプト先頭の番号は, その他のスクリプトを置いた際, どれを 優先して実行するかを決めるためのものである. 若い番号のものほど 先に実行される).

# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/system_backup_2010/rsync_localbk_root.sh
# mv rsync_localbk_root.sh /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root

# wget http://itpass.scitec.kobe-u.ac.jp/~itpass/server/system_backup_2010/rsync_localbk_home.sh
# mv rsync_localbk_home.sh /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

/etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root と /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home に実行権限を設定する.

# chmod 744 /etc/cron.local/daily/220_rsync_localbk_root
# chmod 744 /etc/cron.local/daily/225_rsync_localbk_home

crontab の編集

/etc/crontab を編集する. 以下の一行を追加する.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily

出力結果に関してメールを送信したい場合には以下のようにすると良い.

25 6    * * *   root    cd / && run-parts --report /etc/cron.local/daily |mail -s "`hostname -f` daily run outputs" xxx@xxx.xxxx

バックアップログファイルの作成

ログファイルのためのディレクトリとファイルを作成しておく. なお, このログファイルの場所は バックアップ用スクリプトの用意 で用意した 220_rsync_localbk_root と 225_rsync_localbk_home 内の LOGFILE を書き換えることで変更できる.

# mkdir /var/log/rsync-log
# cd /var/log/rsync-log
# touch localbk_root.log localbk_home.log 

バックアップログファイルの logrotate の設定

rsync のログを 1 週間毎に分割する. /etc/logrotate.d/ 以下に rsync_localbk_root という設定ファイルを作成.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_root

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_root.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

同様に, rsync_localbk_home も作成する.

# vi /etc/logrotate.d/rsync_localbk_home

以下の内容を書き込む.

/var/log/rsync-log/localbk_home.log {
    weekly
    create 0644 root root
    rotate 12
}

本サーバから予備サーバへのバックアップの停止

ローカルバックアップがうまくいっていることを確認した後, 本サーバから予備サーバへのバックアップを止める. 本サーバから予備サーバへのバックアップを行っているスクリプトの実行権限を消す.

# chmod 644 /etc/cron.local/230_rsync_itpassbk

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Last modified:2010/09/16 14:45:45
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References:[[ITPASS2009]2009年度サーバ構築ログ]