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: 2 : 気象力学を学ぶ上での基礎知識 : 目次   目次

イントロダクション

日常生活の中で気象現象は,誰にとっても関わりが深いと思う.僕自身も「天気の変化」に小さい頃から心を奪われて,大学では気象学を専攻している.毎日の天気の変化はごく身近にあるのに,ひとたびその大気の運動を定性的に議論しようと思うと深い数学や物理の知識が必要となってくる.また,気象現象を記述する方程式は非線型偏微分方程式であり取り扱いがとても難しい.しかし,さまざまな技法を使って取り扱いにくい非線型性を取り除くことにより,重要な大気の運動の仕組みが見えてくる.その非線型性が大気の運動にとって重要なファクタとなる場合,定量的な議論を行うとなればコンピュータによる数値シュミレーションが必要となってくる.

いずれにしても,このような発展的かつ興味深い話題に触れるためには気象力学の基礎を固める必要があるように思われる.この「気象力学を学ぶ上での基礎知識」において,さまざまな気象現象の理解に必要となる「地球流体力学的な基礎中の基礎」をまとめたいと思う.また,気象力学の入門書のみではカバーし切れない知識の部分は連続体力学,流体力学の専門書等を通して,ノートの内容を充実させた.自分自身も勉強中なのでノートの体系性や構成が美しくない,あるいは問題があるかもしれないが,将来的により高度な知識(数値予報モデル,大循環モデルの詳細などについて)を学ぶ際の覚書かつ復習に有効活用できる資料になるように努力はしているつもりである.

このノートを作るにあたっての参考文献は最後にまとめている.極力すべて挙げているつもりではあるが完全でないことをお許し願いたい. #.


Yuta 平成22年1月23日